クローニング、試験のキット化

年末になると一度実験を閉じなければいけないということもあって、最近は仕事を細切れにできるクローニング作業を進めています。クローニングについてはどんどん新しいテクノロジーやらライブラリーやら委託やらが出てきているので、余り馴染みのない方からすると発現ベクターなんてささっと出来てしまうように感じるかもしれません。

たしかに便利だなぁと思うテクノロジーはあります。L社のGatewayとか制限酵素で切り貼りすることに苦手意識のある私としてはとてもありがたい技術です。でもこれって、メーカー囲い込み作戦にハマってるってことですよね。一旦あるメーカーの技術でクローニングを始めるとそのメーカーで取り扱うベクター間の組換が非常に便利になっているので、もう抜けられません。Gatewayにどっぷり浸かっている時に他のメーカーの便利そうなタグだとかプロモーターとかを見てもすぐに乗り換えようって気が起きません。だって制限酵素で切り貼りするの苦手なんですもん。

そういうことを考えると結局pUCとかpETとかで自分の好みのMCSを作っておいて、制限酵素で切り貼りしていく技術はなんだかんだで昔と変わらず必要なのかもしれないなぁと思う今日このごろです。

クローニングに限らず、いろいろな試験系がキット化されてしまってどういう原理で動いているのか理解しないままにきれいな結果を得ることができるようになってきました。ただ、結果は得られても、原理がわかっていないとその結果に対する考察は深まりません。

短期的な効率を上げることばかり考えず、長期的な視点でも研究を進めていけるようになりたいものです。