ApEでシーケンスアライメント

プラスミド構築には遺伝子解析ソフトが必須です。定番はGENETIXだったり、今だとVector NTIとかも使ってる方いますよね。こういうソフトウェアは結構高くて中々悩ましいところですが、こんな領域にもフリーソフトが存在しています。「ApE」、ご存じの方も多いのではないでしょうか。私も、Vector NTIからApEに切り替えて1,2年ほど使っています。DNAの解析に関しては十分な機能を有していると思います。基本的な操作はYoutubeにも出ていますのでそちらを参照していただくとして、


ApE(A plasmid Editor)を利用してプラスミドを設計する - YouTube

今日はシーケンス解析後のマルチプルアラインメントについて備忘録として残しておこうと思います。プラスミドを構築した際にはシーケンスで配列の確認作業をしますよね。この作業、結構めんどくさいのでなるべく楽に、かつ確実に作業したいところです。こんな時にもApEは非常に役に立ちます。

まず、ApEは.ab1ファイルの読み込みが可能です。

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で、対応するプラスミド配列(Reference Sequence) とそのプラスミドに対して得られたシーケンスデータをすべて開きます。そして、”Tools"→"Align Sequences" (or Ctrl+L)とするとアライメントをかける配列を選ぶ画面が現れるので、一番上の"Reference Sequence"からプラスミド配列を選択し、"Align to Windows"より対象の配列を選択し、"OK"。

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そうすると、アライメント結果が表示されます。

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一番上の部分がreferenceとしている配列でアンダーバーがついていればrefereceとシーケンス解析結果が一致している、ということになります。赤に反転している箇所はreferenceと異なることを示しています。当然、解析結果の方は最初と最後の信頼性はあまり高くありません。赤く反転した位置の波形が気になるところです。ここがApEのすごいところなのですが、気になる結果にカーソルを合わせると、、、

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なんとシーケンスの波形が現れます。これで、反転したDNAがポジなのか、ネガなのかを画面を変えることなく判断することができます。そして、この例では元々のテンプレートにta→gcの変異を入れたのですが、その箇所はアンダーバーがついておらず、ひと目で変異が入ったことを確認できます。

というように、ApEを使えば高いソフトウェアを買わずとも大体の事ができてしまいます。Youtubeでも紹介されていますがEnzyme Selectorも非常に便利な機能です。いろいろな方々がApEの使い方を公開されていますので、そちらを参考にすればより便利に使うことが可能になるでしょう。私も色々試してみたいと思います。